例えばシーズン終了後、今年の総括としてベイスターズの不振の原因を評論家が挙げるとすれば、おそらく多くの人が「抑え不在」を挙げると思うけど、個人的にはそれ以上に「先発の不振」が原因になっている、と思っている。
#それこそ、いくら"やる大矢"が頑張っても無理なほどに。
まぁぶっちゃけ言えば「悪いのは全部」なんだろうけど(特に、何気に1番酷いのはフロントかもしれない)、とりあえず表に見えている部分で1番を挙げればソコかなぁ?という感じ。例えクルーンが居たとしても(寺原が先発に居たとしても)そう大きく状況は変わらなかっただろう、と思えるくらいに酷いんだから。
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あくまでイチ・ファンとしての推測でしかないけど、おそらく、首脳の考えるシーズン当初の先発ローテーションメンバーはこんな所だったんだろう。
・オモテ
三浦-ウッド-高崎
・ウラ
寺原-工藤-土肥
表裏や順序はともかく、現に最初の6試合はこのメンバーで回している。
#その時点で、既に三浦が開幕に間に合わない、という誤算が生じていた。
実際、この6名(ウッドはともかく)が最低限昨年並みの成績を残していれば、今頃こんなに最下位を独走するような事は無かっただろう。
#最悪でも借金1ケタで5~6位なんて辺り。
が・・・その後のこの6名の数ヶ月を見ると、絶望的な現実が降りかかってくる。
・三浦→故障でファーム落ち→中途半端に復帰
開幕遅れ後は、いつもの負け運がある事を除けばそれなりの実力を発揮していたが、例年のように"完投"出来なくなっていた。
#アキオの言ってた球数制限は本当なんだろう。
で、その制限してた理由が悪夢となって襲い掛かったのが、交流戦序盤。大量失点して負けるなど不振に陥る。疲労による肩痛(だったっけ?)でファーム落ち。ついに昨夜復帰したが、内容的にはさほど良いものではなかった。
#序盤は良かったんだが・・・
本調子には程遠い、ということで、今後も暫くはセーブした登板が続きそう。まぁそれでも一枚でも戻ってきてくれるのはありがたいが。
・ウッド→唯一ローテ保持
開幕から唯一ローテを守り続けている。
・・・が、本来、実力からするとそんなに柱として頼れるほどの投手ではない。三浦にも負けない程の"負け運"がある上に、5~6回に突発的に崩れる病気を抱えていたりするので、中継ぎへの負担が大きいタイプの先発。まぁ最低限試合は作れるけど・・・但し、実は未だに無失点でマウンドを降りたことが無い、というのも事実。
本来は五分五分くらいの成績を期待されるタイプなんだろう。
・高崎→不振でファーム落ち
期待ハズレも甚だしい。昨年終盤に見せたキレのあるピッチングは何処へやら?
#新人王候補とまで言われたのに。何の為に昨年の投球回数をセーブしたのか(苦笑
投げればノーコンだし、打たれたら打たれ続けるしで先発としては大失格。当然、開幕から数試合投げただけでファーム落ちしている。
その後、中継ぎで数度一軍のマウンドに立ったけど、短いイニングでも目立って良い成績は残せなかった(一発病を併発している)
・寺原→何故か抑え
言うまでも無く、現在の"抑え"。開幕投手でありながら抑えをやっている事自体がチームの現状を表しているんだけど、とはいえ、彼自身にも問題が無いわけではない。先発時の成績は4試合で1勝、その1勝だけは昨年の良い時のピッチングだったが、それ以外はウッドと同じく突発的に崩れる病気が発病している。
#ソフバン時代と変わらない。まぁ昨年もよくあったことではあるが。
抑えとしてはとりあえず及第点か・・・まぁ、チームの事情でそれをやっているのも事実である、この辺は多少失敗しても責められない。
・工藤→故障でファーム落ち
ベイに来ても隔年は相変わらず・・・なんだけど、そもそも工藤にそんなに期待してはいけないのは今更言うことでも無いだろう。
#頼りにならないとかそういう意味ではなく、チーム作りの根本的な意識としてね。
だからローテをこなせるとは最初から計算されて無いハズ。なので、1試合投げただけでその後不調でファーム、というのはある程度折込済みといってもいいかもしれない。
ただ、代わりの那須野が早くも10敗を喫しているのが痛い。一応勝ち頭でもあるけど。
・土肥→不振でファーム落ち
いい加減、鍍金がはがれてきたか?というのはあんまりだけど、元々土肥に関しては"当たったらいいな"程度の期待だったんじゃないかな?という気もする。なんせ昨年夏以降は一度も勝ててないんだから。
#だから、コイツに"昨年並み"を期待してもしょうがない。昨年並みでも勝てないんだから。
良い時の土肥は、内外を絶妙なコントロールで使い分けて左バッターには逃げるスライダーで空振らせ、右バッターには差し込むスライダーやアウトコースギリギリの直球で攻められた。けど、昨年夏以降はおそらくそれが出来て無いんだろうな。
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どんなチームでも、最悪、想定オーダの半分、つまり3人くらいはハズレがいても、それを補うのが首脳の役目、というのが普通だろう。けど、6人中5人も居なくなったら、それを補うのは容易なことじゃない。どんな名将でも当初の予定通りのレベルまで持ち上げるのは難しいだろう。
#まして、元々"打のチーム"であるベイスターズだ。投手が豊富とは言い切れない。
そんなわけで、ここまで81試合、先発を勤めた投手は延べ14名にも上がる。ちなみに、起用順を考えると、以下のような補充関係があるのかな、と思われる。
ウッド
三浦-桑原-ウィリアムス
高崎(補充無し。基本的に高崎抜け後は5人体制になる)
寺原-小林(不調時ウィリアムス)
工藤-那須野-三浦
土肥-佐藤-(小山田、吉見、真田)
で、現在のローテ?(最新版予想)
ウッド、小林、三浦、ウィリアムス、(真田?吉見?)
#吉見と桑原は中継ぎでの登板もあるので、固定出来て無い。
ということで5番手はやはり真田か・・・結果でてないけどなぁ。ウィリアムスも一度上手く行っただけなので、今後は非常に不安。
実際、これがローテでよく勝てるようになって来たよな、と思う・・・まぁどっちかというと交流戦終盤~こっちの成績がやや上向きなのは、中継ぎの好調が原因だと思うが。
以下、簡単にその+8人の印象をまとめてみる。
・那須野(工藤の後釜。ローテ入り後はずっと先発を維持していたが、先日ついにシーレ行き)
番長やウッドと違って変に勝ち運がある(かなり援護が入りやすい)分、一応チームの勝ち頭だが、やはりそもそもの内容が悪い(ボール先行、テンポ×)分持ち味を生かしきれて無い。よって防御率も悪く、負けが2桁に達している。
開幕時は昨年同様中継ぎだったが、工藤の後にすぐに入ったことを考えると、先発の予備その1だったことが考えられる。まぁ、その位置ならこんな内容でもしょうがなかっただろうが、ウッドと2人でローテの中心に居ただけにイマイチイマニな印象。
・小林(寺原が抑えに回った後の補充先発。ルーキーその1)
こんなチーム状況だからルーキーにも出番が回ってくる。そして、"今の所"ここ数年で言う「即戦力ルーキー」の中では一番の「当たり」なんじゃなかろうか?という気もする。
#先日の完封劇(今シーズンチーム初)も見事だった。
「先発特性」とでも言うんだろうか?特筆すべき剛球は持ってないが、低めに集めるコントロールと状況に動じないマウンド度胸がある。
#右バッターへのアウトに逃げるスライダーとインコースに切り込むシュート。
#これがコントロールできた時は素晴らしいピッチングになる。
ただ、まだスタミナに問題がある点や、不調時は凡庸な球が浮いて高めを痛打され易い性質もあるので育成期間である事は間違いない。調整登板やたまに中継ぎで起用されていたのは、そういう時の様子見なんだろう。
但し、おそらく現在の先発ローテにおいては最も安定感がある。
・ウィリアムス
5月頃、阪神戦の登板を見てひと目で「コイツは駄目だ」と思った投手。ウッド同様、先発候補としての来日・補強だったんだろうけど、ウッドよりも更に球が遅く、コントロールはそこそこだが決め球が無いので粘られて四球、または甘く入った球を打たれる、、、という典型的な自滅型の駄目Pだった。
#スカウトは何を見てるんだろうなぁ・・・メジャー22勝という数字だけ?
しかし、先日の登板ではG打線が打ち急いでくれた所為か、自滅せずに5回を投げきってなんと初勝利。背水の陣だったのは言うまでも無いが、一応、結果がでたのでおそらく次もあるだろう。しかし内容が内容なので、次も信頼できるか?というとそれは不安。
しかし・・・ウッドがあんだけ投げてやっと1勝できたというのに、コイツはあんな内容でアッサリ1勝とか。野球ってわかんないね。
・佐藤(土肥離脱後の代役・ルーキーその2→シーレ行き)
度胸とキレはあるんだけど、コントロールがままならない。短いイニングではなかなかよく抑えてたけど、先発で2試合投げて2試合とも責任投球回を投げ切れなかった。
#四死球で自滅するか、または少ない球種を読まれてスタンドへ持ってかれる。
まぁ高卒ルーキーに多くを求めるのは酷だし、こんな状況だからこそのし方無しの先発起用でもあったわけで、この失敗を糧に下で勉強してきてくれれば、と思っている。磨けば光る原石、という感じかな。まぁ例年、磨くのに失敗して若手が育たないのがベイスターズなんだが(--;;
・小山田
ウィリアムスが使い物にならなかったので、その代わりに先発に回ったのがこの小山田。その頃はある程度のロングリリーフもこなしていたし、カープ時代に先発経験もあったが故の起用だったんだろうけど、、、その内容と今の状態を比べると、やっぱこの人は中継ぎが1番だと思うわ。
#特にここ数試合は内容が非常に良い。
場合によっては2~3回を投げきれるし、キレも全然違う。先発時は、まるで去年の加藤を見ている感覚に陥ったくらい、球そのものが変わってしまってた(力をセーブしているのか、球速もキレも微妙になる)
今は中継ぎに戻っているので、このまま大車輪の活躍を期待したい。連投も利きそうだし、今年は中継ぎの柱だった木塚もいないからね。
・桑原(小山田の後の先発。ルーキーその3)
大体、ルーキー3人が一軍の先発舞台に上る展開なんてそうそうあるもんじゃない。実力でスーパールーキーと目されるような連中ならともかく(例えば、1年目の和田、新垣のホークスとか)、こう言っちゃ何だがこの3人は所謂ローテの穴埋めだ。それもまた実力と言えば実力だけど、2年目以上の生え抜き先輩連中は何をやってるんだと小一時間(ry
で、この桑原は・・・佐藤と同じタイプかなぁ。あっちが左ならこっちが右、程度の違い。ああ、あとスライダーが武器か。こいつのスライダーはかなりキレがあるので、コントロールさえ定まればかなり使える。でも、そのコントロールの好不調の波が大きすぎるのがなぁ・・・駄目な時は最初から駄目。で、良い時も先日のカープ戦みたいに、4回途中まで完璧に抑えてたのに1本打たれてセットポジションになってから一気に崩れた、みたいな。動じたのかどうか分からないけど・・・まだまだ、一軍の先発を任せられるレベルじゃない、と思えるね。やはり佐藤同様、下で育成が必要な感じ。
・吉見(佐藤後の穴埋めその1)
その生え抜き先輩。先発では時折神ピッチを見せるけど、大体の場合は打ち崩される。所謂緩急で攻めるタイプだけど、その緩急を読まれるとどうしようもない、というのが現状かな。
#故に、組立てが非常に重要。ある意味、捕手のリードに依る部分が大きい。
中継ぎでの登板も多く、先発起用は一時的なものだったらしい。自分はこの人の先発時の内容を見ていない(2試合だったかな)んだけど、いずれも結果がでていない事を考えると・・・やっぱ駄目だったんだろうなぁ。中継ぎではちょくちょく見てるけど、今年は意外なほどストレートが走ってるので、90K台のカーブとの組み合わせで、相手打者のタイミングを外しまくれている気がするんだが・・・先発だと立ち上がりで崩れるとか、那須野と全く同じだなorz
・真田(佐藤後の穴埋めその2)
大矢はコイツを先発タイプ、と見たのかなぁ・・・確かにG時代の実績はあるけど、今の所の2試合の先発登板内容にあまり光る所は無い。
#中継ぎの短いイニングではともかく。
割りと簡単に連打され易い性質もあるみたいで、崩れだすと止まらない。立ち上がりが悪いってのもあるけど、でも中継ぎ時は結構良かった事を考えると、先発ということで変に気負いすぎなんじゃなかろうか?という感じもある。
ということで、こいつも「先発」に限ると信用できない。
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こういう先発スタッフを見ると、なるほど「マシンガン継投」も致し方ないのかな?という部分は確かにある。先発が5回ギリギリを耐えて、その後4回を小刻みにやらざるを得ない、というのは事実だ。
#今は何とかなってるが、しかしそのままだといずれ中継ぎ陣が壊れそうなのも怖いが。
大体、開幕から1~2ヶ月がそうだったしね。その頃は上記のように予定してた先発スタッフが尽く離脱、配置転換されて右往左往していた、ってのもあるだろうけど、それ以上に「出ては打たれる中継ぎ陣」の方が重症だった。多分、その頃のトラウマなんじゃないかな?大矢の最近のマシンガン継投も。
#以前も一度書いたけど、やっぱ"信用できない"んだよ。投手を。
あと、ある程度の実績とかね。昨夜は打たれたけど、例えば山北の使い方は今の方が合ってるのは事実だし。アイツ、右には通用しないと思った方がいい。だから左ワンポイント、昨年の"ここ一番"での木塚ワンポイント、と同じだな。
先日のエントリでも書いたように、実はここ1ヶ月のベイスターズの成績は上向いている。前述の中継ぎの好調と、交流戦辺りからの打線の好調さ原因だ。
#さすがに良いPに当たっても打てるなんて事は無いが。
先日の虎戦、G戦では共に、ここまで一度もなかった零封を喫してしまったし、やはり打線は水物ではある。けど、3割6分辺りで下げ止まって以降も好調をキープしている3番内川をはじめ、東福岡コンビの長距離砲が好調だし、一時期の絶望的な不振からは立ち直りつつある金城、相川など、点を取れる要素も大きくなっているので、打線に関しては昨年並かそれ以上まで復調しつつある。
#シーズン序盤のように、異常に繋がらない、なんてことも無くなっている。
そして中継ぎも(何時壊れるか怖いが)調子が良い今、こうしてほぼ5割ペースで来れていることを考えると、やはり先発の不振さえなければ普通に貯金だって狙える戦力だった、ということになるんじゃないかな?
#ま、たかが一ヶ月でタラレバなんて机上の空論もいいトコなのは分けるけど。
借金を減らすのは未だ難しい状況ではあるけど、今後は若手の積極起用など来季を見据えつつ、勝負どころでベテランを使って試合も取りにいく、というスタイルで現状維持できれば、まぁ「チームの建て直し」に関しては合格点なんじゃないかな?と思う。
無論、今シーズントータルで見て不合格なのは前提として。
#でも、過ぎた事ばっか気にしててもしょうがないしね。
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余談その1。
今回、こんな分析というか概況というかを書いたのは、とあるスポーツ評論家の今のベイスターズを見ての「最下位球団には罰金を課せばいい」という評論を見たからだ。
#一理無くは無い。ある意味においては「アリ」だろう。
#選手のコンディション等、"プロ意識に欠ける"といった批判はアリだと思うし。
まぁ言いたい事は色々あるが(それ以前に金による選手の強奪等のバランス崩壊だとか、こうなる理由はいくらでもあるだろ、と。評論家がそれを無視してどうすんだ、と)、何より"今のタイミングでそれを言った"と言う所に、甚く腹が立った。
#上にも書いたように、チーム状況は上向いている、というタイミングでだ。
せっかく地味に良くなってきているというのに、水を注されたような気がしてとても気分が悪かった。それを書くならもっと前のタイミングだろう、と。ホントに試合見てんのか?と言う感じだったわけだ。
余談その2。
ちなみに、ごく最近こうしたチーム状況に陥った例があった。昨年のヤクルトだ。
#首位打者、最多安打、最多勝、そしてHR2位・・・という選手を擁していながら最下位だった。
で、今のベイスターズも(あくまで現状だが)HRトップ、首位打者、打点2位という選手を要していながらダントツの最下位だ。そこで、「大矢」と「古田」という奇しくも元ヤクルトの背番号27番捕手監督どうしの比較、という観点が浮かび上がってくる。
流石に年季というものもあるし、古田のプレイングマネージャーという立場もあるから、イーブンに考えることは出来ないんだけど、少なくとも指揮官としては「まだ大矢のがマシ」という風に個人的には捉えている。
傍から見てて、昨年のヤクルトは何故にこんなに勝てないのか?と不思議に思ってたが、今年のベイスターズは負けても当然だろ、という内情を抱えている。言うまでも無く、上に長々書いた先発スタッフの不振だ。
#なんせ試合の半分(5回まで)は常にハンデを背負っているに等しい。
ただ、ひょっとしたら昨年のヤクルトにもファンから見て明らかに負ける重要な要因を抱えていたかもしれないので、これはただ自分の勘違いでしかないかもしれない。
#なんせ、借金の数も違いすぎるしな。
もしそうだったらゴメンナサイ。「やっぱ大矢のが馬鹿です」になる(酷
余談その3。
CSに加入して以来、なるべく視聴可能だった場合の勝ち試合のラストシーンやPBN(プロ野球ニュース)の該当試合シーンは録画していたりするんだけど、今年は6月くらいまではおかげさまでHDDの容量がほとんど減らなくて助かっていた_| ̄|○|i|l
#つまり、負けが混んでたから録画の必要が無い。
しかしここ1ヶ月ほどは、ある意味嬉しい悲鳴状態。最近は2試合に1回は録画しているので減りも早い。先日のコバフト・プロ初完封なんて、7回くらいから録画してたから1時間も使っちゃったぜ(馬鹿
ある意味、弱いチームのファンだからこそ出来る芸当・・・強いチームのファンだったら、5年も前の型のヘッポコレコーダじゃ絶対持たない(笑
#虎ファンで同じ環境で同じ事やったら、RAM移動が大変すぎるだろうな。