しかしフジリューにしても叶にしても、画は力あるのにどうしてオリジナルのストーリーは弱いんだか。短編では結構力発揮できるんだけどねぇ・・・
この2人はかつてのJUMP NOVELで挿絵やってた時から好きなんですがね。
■屍鬼(1-2) / 藤崎 竜 , 小野 不由美
発売の数日後、たまたま天神のジュンクへ行ったのですが、縦積の1巻が売り切れてました。2巻も残り少し・・・新作なんで、入荷は少なかったんでしょうが、あそこの縦積が無くなってるのはそんなに例が多いわけじゃありません。
ちなみに、原作は知りません。
「封神演義」以来、泣かず飛ばずだった藤崎竜の新作は、小説を原作としたモノでした。「サクラテツ」とか「waqwaq」とか一応買ったんだけど、意味不明なままに終わってしまってました。。。アレならまだ「PSYCHO+」のがマシ・・・っていうか、「PSYCHO+」は普通に面白いけどな。
で―――
コレなんだけど・・・画力に関しては特に変わってない。相変わらず独特の線、構図、そして白と黒の対比が上手い。「封神演義」ではややそういう味を抑えてたよね、流石に人気も出ちゃったし、大衆に向けた感があった。
#それはそれで良いんだけど。
今回のはもとの小説がホラー小説ということで、かなり最初からぶっ飛ばして自分風味を描いている。
#実際、原作にはあり得ない空気だろう。
けど、それがまた"得体の知れない恐怖"というのを上手く醸し出しているようにも思える。シリアスなシーンでおちゃらけた描写をするのがこの人のテクなんだけど、が故に、キャラクター共々「分けのわからない何か」を感じさせるんだよな。
間違いなく兼正に越してきた一家の仕業(人じゃないんだろう)なんだろうけど、ソレにかかわる人間や、対応する人間、被害を受ける人間等々・・・表現が様々あって面白い。つか、まぁモブキャラ的なのも大勢居るが、あんだけの人間をよく描き分けられるもんだ。
1巻巻末にはいつもの後書き漫画、「断崖絶壁・・・」ではなく「コンニチワ丑三つ時」。お付の編集さん、SQ副編集になったのね。
★★★★☆
次が出るのは遅いのかな?まぁでも、1巻2巻同時発売ってのは正解だと思う。これで導入だろうし。
■狼と香辛料(1) / 小梅 けいと, 支倉 凍砂, 文倉 十
少し前くらいにアニメ化されてた、ラノベ原作の漫画版・・・ということらしい。
#描いているのはエロ漫画家さんらしいが。
ということで、画はいかにもそういう雰囲気がある(特に画力があるというわけではなく、必要最低限にキャラを立たせる、というか)んだけど、それよりもどっちかと言うと物語にソレを感じさせない魅力がある、という印象。
ヒロイン(?)のホロは狼神?の化身ということで最初から素っ裸になることも厭わないキャラらしいけど、それでいて別にエロい内容になってないしね。なるほど、原作が人気あるわけだ。
#多少小難しい"商売"をメインテーマに置いているらしい。
ただ、主人公のロレンスも、別にそれに限ったクソ真面目なキャラというわけではなく、ホロの能力に振り回されながらも商人としてアレコレ考えながらやっていく様がよく表現されている。
多分、ホロとロレンスの掛け合いにニヤニヤしながら読む漫画・・・になるんだろうな。
★★★☆☆
画力がイマイチなのでやや辛め。
しかし次の漫画は画力が如何こう言ってる場合じゃなかった。
■エルフェンリート(1-12) / 岡本 倫
先日書いた「ノノノノ」繋がり。ていうか、聞けば聞くほど、この漫画の評判は良かったらしい。
#駄目なところも指摘どおり、という感じだったが。
序盤の絵の拙さはどうしようもない(苦笑)。1~4巻あたりまでかなぁ?なんかこう、、、その平面さは、昔読んだ「てんたま2wins」の漫画版を思い出した。そしてそれ以上に不安定すぎるキャラデザとかもう・・・評判聞いてなければ、最後まで持たなかったかもしれん(苦笑
#でも、せっかく探したんだし、と。
知ってる範囲の本屋ではジュンクにしか無かったしね。最終巻が既に3年前のモノだし、おそらくは・・・知る人ぞ知る、的な漫画なんだろう。
ともあれ中身だ。
先週の中ごろに探し当ててそっから読み始めたんですが、一通り、全12巻読み終えた時の脱力感といったらもう・・・こういうのって傑作のADVゲームをやり終えた時の感覚に似てるんですが、例えば、『MyMerryMay』のしかも『be』の方かな。あっちに近い。表現の方法は真逆なんだけど、人間とは?生命とは?魂とは?いろんな哲学的なものを問いかけている内容だった。
#しかもその展開の早さといったらもうジェットコースター。
読んでてそのテーマ云々は置いておいて恐ろしく感嘆させられたのは、キャラクターの動き、考え方(思考)等々を全て計算ずくで設定されたかのようなストーリー。この場面でコイツをココにおいておいたら、このキャラがきてまた戦いになってしまう~とか、とにかく辻褄が完璧に合わされていてかつ、展開がスピーディだったこと。所々粗はあったかもしれないが、こういう描き方こそが読者に止め時を与えない魅力に繋がる。
#なんつーか・・・ほら、最初の頃の「DEATH NOTE」みたいな。
なんかもう、超接近戦であっちもこっちも考えてることは分かるのに、戦わざるを得ない、逆に戦ってしまった、みたいな・・・妙な感覚。
#自分でも何言ってるかわかんねーや(ぉ
とりあえず中身についてはあんま書かないことに。これは是非読んでほしいから・・・入手が難しいかもしれんけど。
★★★★★
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まさに『マイメビ』やった後、みたいな感じなんだよなぁ・・・終わった後、しばらく呆けてた、みたいな。
#なんかこう、"凄いもの"を見てしまった感覚(苦笑
漫画でコレを感じたのは初めてじゃないかなぁ・・・謎はいくつか残ってるんですがね。それでももういいや・・・みたいな。気に入った漫画は何度でも読むんですが、この漫画は読み終えた後、それをやる気になれなかったし。まぁ今はともかく(^^;
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