という事で、今年も2ヶ月と少し遅れで昨年のコンシューマゲーム市場のソフトラインナップ動向を振り返ってみようと思います。
データ元は例によってWikipediaの各ハードソフトラインナップです。廉価版やDL専売、限定本体同梱などはカウントしていません。
長いので、内容は"続きを読む"で。
今回も、前年と同じような比較/評論でいきます。
①各ハードの月別販売タイトル数
表題のまんまの表、グラフです。
前年(2010)の傾向がそのまま続いたような印象です。携帯機(前世代)はDSが更に縮小、PSPが上回りましたが、そのPSPも前年を下回っています。
#ということで世代交代。
3DSの本数は、初年11か月分としてはDS,PSPを僅かに上回っています。このペースは歴代でもGBAに次ぐくらいのハイレベルな本数です。PSVも僅か一月分ですが、20本と言う数字は近年ではWiiくらいしか達成していない数字です。
#ていうか、Wiiってそんなにロンチ月の数字多かったんだ・・・
で、そのWii含む据置ですが・・・ほぼ予想通りの結果になりましたね。Wiiは一年を通して2桁のタイトル数をリリースできた月が1つもありませんでした。逆にPS3は前年から更に増えて147タイトル。
#この数字は、Wiiのピーク時(08~09)をも越えています。
360も前年とほぼ同じ102タイトルをリリースできました。サードパーティがどのハードを見ているか?が如実に現れた結果、と言えるでしょう。
②各ハードの通年販売本数
DS/PSPリリース後から昨年のリリース数グラフです。
まず携帯機から。
DSは激減していたとは言え、その後継の3DSとほぼ同じ水準の数字だったんですね。まぁ一年の間でも①から分かるように前半後半で全然違いますが。
PSPは今回もトップでしたが、前年比で35タイトルの減少です。PSVが出てきましたが、現状のPSVだとDS→3DSと同じ程度の入れ替わりになるかどうか?今年だけでなく来年までかかるかもしれません。
続いて据置。
360は微増ですが、この期に及んで増えているのが面白い(苦笑
#どんだけ売れてねぇと思ってんだよ(ぉ
2011年は遂に10万本を越えるタイトルも出てきませんでした。タイトル数が1/3のWiiよりもソフトが売れないのにリリースされる不思議・・・日本と海外の市場傾向差が如実に現れてますね。まさに捻れ現象。
PS3は順調に増えました。しかしWiiのピーク時の数字が120程度だった事を考えると、現在の日本市場ではこれ以上据置タイトルが増える、というのは考え難いかもしれません。
#現時点では、2012年もかなり良いペースですが。
今年はライバルが後継機を発表するタイミングになっていますが、まさに遅れて来た最盛期なだけにどこでその転換を考えるか?タイミングが難しくなっています。
そしてWii。こちらは2009年~2010年を境に、PS3と全く逆の傾向になっています。
#順調に減っている。
尤も、昨年の発表以来で今年の秋以降には後継機も出てくるわけですから当然といえば当然か。Wiiはこの世代の勝ちハードではありますが、発売から約5年・・・寿命の延びたゲーム機市場ですが、最も短命な勝ちハードとして終焉を迎えそうです。
③トータルグラフ
それぞれのハードの発売から2011年までの、タイトル数トータルのグラフです。
新ハードはまだ始まったばかりなので特に語るべき傾向も何も無いですが。
#これからどうなっていくのかな・・・
DSはここまでで累計1779本。どうやら最終的に2000本の大台までは到達出来なさそうですね。これはPS(3291本)やPS2(2800本以上)と言った過去の主流ハードのソフト数としては最も少ない数字ですが、これもまた時流か。ちなみに携帯機としては、GB、GBA共に遥かに上回る数字になっています。
#どちらも4桁に到達していない。
で、その4桁に到達したのがPSPで1101本。形上は2番手ハードですが、実質的にはDSから主流ハードを受け継いだ形でもあります。発売から7年を越えてまだ主流としていられるというのは過去に無かったパターンです。
そしてその主流の立場を携帯機に奪われて久しい据置き機ですが・・・
#予想通りでした。
もう少し接戦になるかなぁ・・・と思ったんですけどね。
まず、5月に360がWiiを逆転(2008年3月に逆転されてから3年2ヶ月ぶり)し、続いて11月にPS3がWiiを逆転(発売以降初)しました。
#ソフト数が逆転された勝ちハードは過去に例がありません。
また、更に引き続いて今年、今後数ヶ月の内にPS3が360を上回る可能性が出てきています。1,2番手どころか3番手のタイトル数だったハードが1番手まで躍り出るパターンは(ry
#数年前まではなかなか考え難かったけどな。
PS3とWiiはピーク時(09年12月)で140も離れてましたし、PS3と360も昨年春くらいまでは常に50~80くらいの差がありました。まぁ後者の比較は前述のように360市場の特殊性を考えればそう不思議な話ではないのかもしれませんが、
#むしろここまで売れないのにタイトル数だけはペースが落ちない事を褒めるべき。
年間せいぜい100タイトル程度しかリリースされないハード戦争において、140タイトル差をひっくり返すのは簡単な事ではありません。それを2年足らずで成し遂げてしまうんだから、業界が明らかに「Wii→PS3に目を移した」と言う事なんでしょうね。
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前回(2010年版)を書いた時、こんな感じの評論をしました。
今回の任天堂の世代交代はイマイチ上手く行っていない印象がある。これまでだと据置と携帯とを上手い具合に交互に出して、それぞれ片方がそれなりに上手く行っている段階でもう片方を切り替える、という保険を掛ける事ができていた。しかし、今回はWiiが(任天堂にとって)思いの他(?)早く衰退してしまった事で、DS→3DSの変更を保険無しで行わなければならなくなっている。
この点においては、3DSが昨年末にある程度挽回した事で携帯機単体の入れ替えは半ば成功しつつある。ただ、これまでのグラフなどからも分かるように、
しかしこのままだと据置側が死んでしまう。
については状況が改善されているとは言い難い。むしろ悪化している。
#ここまで極端にWiiが衰退するとは。
携帯機側でカバーできているとはいい難いし、Wiiは今年、まだゲームがリリースされていない。
#4月は出るが。
この分だと今年は20本もいくか怪しい。WiiUのスタートダッシュに掛かっているともいえる。流石に3DSの二の舞は踏まないとは思うが。。。
ソニー陣営は、一応PSVが出たもののPSPは今年一年は持ちそうだし据置においてはPS3が最盛期を迎えている。当面は磐石に見えるが、逆に切替を迎えつつあるライバルとの"ズレ"をどのように埋めるか?がポイントになっている。
#現に過去、箱→箱○がPS2→PS3に1年先んじた事で、スタートダッシュに見事にこけている。
WiiUはユーザ層が相変わらずズレそうなので相手になるか分からないが、問題は360の後継機。またダブる可能性が高いことを考えると、後発であることのアドバンテージを提示できなければ今度こそ日本国内でも食われる可能性が出てくるかもしれない。
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