お見事。
基本的に漫画の実写映画化には反対している自分ですが、この映画化はキャストやイメージ映像が出てきた辺りから「これは楽しみだ」と見方を覆していた。せっかくだから映画館で見ても良かったかもだけど、やはり基本、自分は1人でじっくり映像に浸りたい。
#そして当然のようにHMZ-T1で視聴。
原作漫画がまだ終わっていない事や、そもそも実写化の難しい「漫画」という媒体が元であることを考えると、これは原作ありの殊「映画化」という意味では極めて上手く行った例になるのでは無いか?と思う。
#いろいろ言いたい事はあるが。絞って書いてみたい。
肝のストーリー(及びキャスト)
前述の通り原作が終わってないことや、その原作がややオムニバス形式をとっている事から2時間ドラマ化という観点からするとどう作り上げ、まとめるのか?が脚本の手腕にかかってくる。
これを解決したのが「現代日本側のキャスト、ストーリーを厚くした」ということ。原作の日本側に連続性が無かったのに対し、この映画版では連続性を持たせて一つ一つのエピソードを繋げる事に成功した。
見ている間、最初はやはり違和感があった・・・原作の良さ(ルシウスがイチイチ日本に驚く様や、その活躍でローマが反映していく様など)とこの日本側のエピソードがイマイチマッチしていない感があって、必要なんだろうか?という感覚があった。しかしそれも、終盤、この2時間(正確には1時間45分)で収める為に必要な改変だったと納得できた。
日本側キャストの名演も忘れてはならない。殊、ローマ時代の話とあって宣伝などではそちらの描写が目立っていたが、銭湯の老人たちやヒロインの地元の男衆など、ややオーバーな所は感じられたが実に良い味を出していた。下手に某事務所の若手など突っ込まれていては台無しになっていただろう。
そしてキャストのみ公開時に「ヒロイン?!はぁ?!」となった上戸彩だけど、これもまた驚きの名演だった・・・演技力あるじゃないか。
#まぁ単にこの人、自分がよく知らんだけなんですが。
こちらも同じ・・・最初は「何このいらない漫画家設定?要るのこんなの?」と思ったわけだけど、前述の日本側のストーリーを繋ぐ役、そしてローマに来てからの演技力もなかなかのものだった。
もう一つ、こちらは映画公開前からヒシヒシと伝わってきていた点。舞台セットの作りや衣装などに至る演出の素晴らしさだ。
#撮影は本場、チネチッタでも行われた。
ローマの雰囲気をこれでもかと味あわせられたし、一部、「いやいや、その作りはもうちょっと"らしく"してくれよ」と思う所が無いわけでもなかったが、十二分に「邦画でもここまでやれるのか」と印象を変えられる位に力が入っていた。
で、濃い顔のキャスト・・・まぁ知っている人が多いので、流石に本場のヨーロピアンの中に混じると違和感もあるんだけど、それでも十分に馴染んでいたと思う。つくづく、この映画は最近の芸能界事情考えると恵まれたと思う。
#知った風な口を(ry
中でもやっぱり阿部寛か・・・馬鹿が付くほどの真面目人間のルシウスがイチイチコメディー的に驚愕したり涙したりする所は笑い無くしてみていられない。そこにはまさに原作通りのルシウスが居た。ていうか、原作以上だったw
あまり内容には触れないが・・・以上のような理由から、非常に満足できる1作だったと思う。終盤のオリジナル展開は原作ファンにすれば評価の分かれる所かもしれないが、個人的には前述のように、原作ではまだ決着のついていない話であることや、2時間と言う枠の中で作るという意味ではこの展開は十分にあり、だと思った。
★★★★★
文句なしの星5つ。
しかし上戸彩、胸デケェ・・・(マテ
いや、ネットを日頃から見てるのでその噂はかねがね見かけてはいたが、今回のローマ衣装だと胸の下を縄で縛ってる感じだったので尚更強調されていた。
#でもって走る走る、揺れる揺れる(爆
いやぁ、素晴らしい(ぉ
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観てて1つ思ったのは、ヒロイン設定を使いたいのであれば、原作でつい最近までやってたさつきちゃんの話をやればよかったんじゃないかなぁ・・・ということ。
ただ、それも結局一瞬思っただけで終わった。その理由は上述の通り。
今メイキング見てますが・・・原作者も撮影に参加してたんですね。
あああと、書くの忘れてたけど・・・あのルシウスがタイムスリップするシーンでオペラ風の演出が入る所。ああいうオリジナルも最初は「あー、こういう余計な演出入れちゃうんだよなぁ」とハナに付いたけど、その内有りだなと納得させられた。上手く行く映画ってのは何でもハマるもんなんだな。
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