■ADAMAS(1) / 皆川 亮二
「PEACE MAKER」と同時連載(しかも出版社が違う)という荒業をやってくれる皆川さん。
#井上雄彦辺りがやってるのと同じことだな。出版社が違うってのは。
先日感想書いた「PEACE MAKER」の方は、主人公のとっぽさはともかく何処となくコレまでの皆川漫画(「スプリガン」「ARMS」「D-LIVE!」)とは違う印象を受けたんですが、そういう意味では今回の「ADAMAS」の方が"分かり易い"皆川漫画っぽい。
#主人公が常人ならざる能力を有していて、少年漫画的に悪の組織に立ち向かっていく。
まぁ主人公女だけどな(笑
そう、女なんだよなぁ・・・この人の漫画の女性キャラってのは過去、何度も書いてきたように"どうもデッサンが狂ってる"印象が強くてあまり美人を見た気がしない。逆にそういう印象が、「綺麗過ぎる」というありきたりな印象を消させる意図があるのかもしれないけど。
#でも設定は美人。
しかも強い。鬼強い。「意思」と「石」をかけてるんだろうけど、その「石」の力がどーたらでべらぼうに主人公に有利な状況が生み出される。ダサい(笑)形のナックルでボコボコ殴ると言う最近では珍しい戦い方。
今んとこ、話的にはややビミョー・・・でも、この人の漫画で最初から好印象だった例って無いからなぁ。もうしばらく様子を見たい。
★★★☆☆
■センゴク天正記(1) / 宮下 英樹
新フェーズに入ってリニューアルということで、今回は役者の顔見せ的な要素が大きい。
#や、働いてるけどね。
そう、リニューアル前の最終巻でついに領地を得て"ただ戦うだけ"ではなくなった仙石秀久、「家」の為にもあちこち出向いて一兵卒ではやらなかったような事をやっていきます。
#とはいえ、やはりその場その場での無茶な行動も挟んではいるが。
敵陣に間違って忍び込んだのは仕方ないとしても、その後も自分から飛び込んでるしな。が、そういう間者としての働きも史実上この仙石はよくやっていたらしい。
他、信長、秀吉は当然として、今後の大きな敵対勢力として武田家、そして一向宗の動向も描写されている。特に個人的には信玄亡き後の武田家の描き方には興味がある(朝倉家同様、史実上では落ちぶれる一方として描かれることが多い)・・・とりあえず今回は諏訪四郎勝頼が"あんまりな"扱いじゃなく面白かった(笑
#そう、優秀な将だったことには違いないわけで。
手の動きとか信玄の真似しすぎなのはどうかと思ったがwまぁそれも「信玄」になる、の描き方なんだろうが。
冒頭に書いたように、今回はインターミッション、顔見せ的なものだったんだろう。だから某かの盛り上がりがあるわけではないが、なかなかコレまでの普段の「センゴク」には無い面が多くて興味深かった。
★★★★☆
■CLAYMORE(14) / 八木 教広
前巻までは「北の戦乱」後の世界の紹介的な印象が強かったけど、その中で張られていた伏線が今回、かなり繋がってきた、という感じ。
ガラテアの行方、それを捜索していたクラリスとミアータ、そしてガラテアの潜伏目的だった覚醒者の登場及び、その戦闘の場に現れた「北の戦乱」の生き残り。符号が集まり始めた。
とりあえずこういう漫画だと強さインフレが気になるところですが、ミアータが割りと簡単にやられちゃった所や(まぁ、、、実はそうじゃない展開はあるだろうけど)、最弱のクラリスが何も出来ずに逃げるのなんかはいい感じ。
#とはいえ、、、何かありそうなのも事実ですが。最後の描写からすると。
一応設定的には今のクレイモアは7年前のそれよりも弱い設定もありますしねぇ。
他、番外編で、「イースレイとプリシラの出会い」と「クレアの訓練時代」を収録。月刊→SQへの移行の過程でこうした番外編が作られていると思うんだけど、前の巻にあったソレと同様、実に読者の知りたいところを的確に補完してくれるので助かる。
★★★☆☆
---------------------
「クレイモア」は兎にも角にも"覚醒者"という最強過ぎる存在が居ること、そしてソレを如何倒すか?が最終的に描かれないといけないわけで・・・そう繋げる過程がどうなるのか?が楽しみですね。あと、クレアの行動の動機は「ラキ探し」にあることには違いないだろうし。ラキが如何かかわってくるのか?も注目。
さぁ今月終盤は「おお振り」最新刊。とても楽しみです。
コメントする