投手の仕事が出来ていない

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いやはや・・・酷い試合だったみたいですね。

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せっかくなので・・・自分の考える、「試合における投手の仕事」というのを書いてみたいと思う。

まず、日本のプロ野球の場合、防御率からも分かるように1試合当たりの失点は平均して4点前後。勿論チームによって違いはあるが、投高打低だった~80年代、そして現在の打高投低に移行するまでの90年代までであればもう少し低いのが普通だったけど、00年代に入ってからだと、強いチームでも3点台前~中盤、そして弱いチームだと4点台後半~5点前後というのが例年の数字になっている。
#ベイは大体その5点前後になっているが。
なので、まずは普通に考えて悪くても4点前後という数字を考えなければならない。

次に、先発の仕事。
先発の仕事は言うまでも無く「なるべく長いイニングを、なるべく低失点で抑えること」である。責任投球回が5イニングとなっていることからも分かるように、基本は「5回」を何失点に抑えるか?となる。
#ただ、これだと中継が死ぬ。
なので、理想は6~7イニングは投げて欲しい、とどの球団首脳も思っているだろう。大体100球前後を考えるとすると、1イニング当たり15~20球前後で抑えられれば5~回は持つ計算になる。
で、次は失点の話。長いイニングを投げるのだから、ある程度の失点はし方の無い部分はある。勿論、ゼロに抑えられれば言うことはないが、どうしても2~3点・・・そう、平均的な先発投手の防御率(3点台中盤~4点前後)を考えると、やはり5イニング投げて2失点以下が理想、となる。
#ただ、これはこれで難しい。
1イニング15~20球ということは、1人の打者に対して6球前後。フルカウントまで粘られた上、出塁までされてしまうと計算が簡単に狂う。勿論、逆に初球打ちでアウトと取れたりと言う展開もあるのでトントンになることはあるけど、それはそれなりに優秀な投手にしか出来ない。
また、長いイニングを投げると言うことは、常に全力、とはなかなか行かない。パワー配分を考えつつ投げる、というのが中継との明確な違いになると思う。
なので、最低限・・・試合を作る、という意味では理想の2点以内に+1点加えて「5回3失点」または、1イニング伸ばして「6回4失点」までが先発の仕事だろう、と思う。前述の通り、1試合の平均失点が4点台ということは、後者だともう中継は多くても1点くらいしか与えられない事になるけど、その代わり3イニングで済む。逆に、前者だとギリギリで2点保険はあるけど、4イニング投げなければならない、と。

ということで、この条件を今日の清水に照らし合わせると・・・5回までは3失点でなんとか堪えてたわけだから、ここまではギリギリ試合は作れてた、と言える。しかし、変に球数が少なかったもんだから続投させてみたら、6回1アウトも取れずに3失点。結局5回0/3を6失点ということで、当然NG。まぁベテランなので修正はまだ利くかも、と考えると、あと2回はチャンスを与えても良いという感じか。
じゃあ継投ミスか?というと、正直、5回を終えた段階で60球台だった清水をいくら無死満塁にしてしまったとはいえ、ここで簡単に変えられるか?というと尾花を責めるのも酷だと思う。
#この球数、そしてベテランである清水(立ち直れるだろうと言う期待)という点からも。
勿論、結果的に間違いだったのだから、次に活かしてもらわなければならないが。あと清水だけでなく今日の試合で言いたいことは、先頭打者を出しすぎ、ということ。
#結果的に、先頭打者を出さなかったのは5回と9回だけ。
逆に言うと、5回の好投が尾花の判断を曇らせてしまったのかもしれないね。継投するタイミングを見誤らせた。

さて・・・問題の中継だ。
中継の仕事はと言うと・・・「とにかく無失点に抑える」ということだ。長さは関係ない・・・先発が最低5イニング投げてくれれば、延長にならないのであれば残りは長くて4イニング、それを多ければ5~6人で回すわけだから、そう言う点では先発よりは失点を抑えられて当然、となる。
というか、そもそもの話・・・自分は、「先発失格で中継へ」と言う考え方はナンセンスだと思ってます。勿論、それが結果適材適所であれば問題無いのですが、「先発」>「中継(抑え)」と言う考え方をしていたら、何時まで経っても強くなれない。なんせそれじゃあ試合の後ろで失点を覚悟して計算しないといけないからね。
#先発は先発の、中継は中継の仕事がある。
だから、理想は「中継の防御率=先発の防御率-1」くらい。中継のエースは1点台、2点台であるべきだし、先発よりも防御率が悪いとかもう論外だと思っている。
#まぁビハインドの試合で試すとか、まぁそんなレベル。
まだシーズン始まったばかりで落ち着いてないので、防御率についての議論はとりあえず置いておくとして・・・中継のすべき仕事は、列挙すると大体以下のような感じ。

①失点しない(自責をつけない)
②前任者の出したランナーを返さない。
 例え①が良くても、これがあると救援としてNG。
③先頭打者を出さない。
 中継に限らずだけど、とにかく失点を下げないといけない立場でこれは無い。
④ワンポイント、対右、左であれば、その責任を果たす。

当たり前のことしか書いてないけど、まぁこれが中継の仕事だろうと思う。スタミナ配分とかそう考えなくても良い(ロングリリーフなど状況にも依るが)分、とにかくこの仕事を全力でこなすのが中継の考えるべきことだろう。
で、そうは言ってもそれを完璧にこなすのはまず無理なので、先発が残したイニングに対して可能な限り①~④を守りつつ失点を抑えるのが重要、となってくる。

今日の試合でこれらを当てはめて考えると、以下のようになる。
 江尻:OK
 真田:①、③でNG
 篠原:②、③でNG
 ハミ:OK
 大沼:①、③でNG
 佐藤:OK
そもそも中継が登板した時点以降はずっとビハインドだったのに、6人も投入せざるを得ない時点でもう異常である。
おそらく尾花の頭の中には、3番手の真田が1~2イニング、残りをもう1人、くらいでしのぐ事を考えていたんだろう。しかし、まずその真田がこの計画を崩した。
#大体、勝ちパターンのはずの真田をここで投入させざるをえないのがまた厳しい。
次に、その壊れた状態の修復の為に、対左も含めて出した篠原がまた壊す。ハミルトンは通常なら9回かまたは当番なしの予定だっただろうけど、とりあえず石原のミスショットにも助けられて仕事をこなした。
が、また次が問題・・・大沼はイニングの先頭から、所謂投げ易い状況で登板しておいて失敗している。もう何度目だろうか・・・現状ではもうこの投手を見たくは無い。
そして最後・・・ここまでミスが続いていた上に、今日も調子が良いとはいえ無さそうだった(ストライク全然入ってないのにアウト取れたり)佐藤が、あっさり3者凡退に抑えた。
#ま、得てしてこういうものである、と。
6人中、仕事をこなしたのは半分の3人で、特に、イニングの先頭から出ておいて仕事をこなせてない真田と大沼は終盤の大量失点の基点になってしまっている。

以前から書いてるけど、中継は「ダメなら次」って感じで指揮官は投入しやすい。けれど、投入すればするほど「その日のハズレ」に当たる率もまた上がる。今日はぶっちゃけ、真田、篠原で2失点した時点でもう試合は終わってた。前の回、清水が3点取られて消沈してたところで2点返して「まだやれる!!」となった直後に一番やっちゃいけない失点をした。
#で、更に大沼でトドメ。
最終回、3点追い上げはしたけど、あれはもう「今日の広島も同レベルだった」というだけの話。
#ハズレ(上野)を引いただけ。
ここ数試合と違って打線は奮起したけど、それ以上に投手が崩壊してたらそりゃあ勝てない。

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まぁ先発は所謂"QS"の達成が1つの評価ってのは同意。だから、一番良いのは6回3失点だろう。
#清水はそういう意味ではツメが甘かった。
つーか、ベテランらしくもない。登板終盤で大量失点って、若手じゃないんだから。

そういえば今日の試合はYahoo実況で観戦してて(仕事せんかい!!(笑))不思議に感じてたのがあった。妙にカープ打線の「セーフティバント」が決まる。試合序盤で3回、終盤に1回かな。ついでにエラーも重なって失点に繋がってるわけだけど・・・何があったんだろう?普通、よほど油断してるかフィールディングが悪いかじゃなければ、1試合にこんなにセーフティが決まることは無い。
てか、見てて一番イラついたのが3回の広瀬の打席だな。バントの構えしてるんだから素直にひとつアウトもらっときゃ良いのに、結局警戒しまくってフォアだしてノーアウト満塁にしてるんだぜ?
#馬鹿じゃん。武山何考えてんの?
まぁ、結果1失点で済んだとは言え、こういう無駄なランナーがとにかく多すぎる試合だった。安打数はほぼ互角なのに、如何考えてもそれ以上にピンチの連続で心の休まる暇の無い試合だったしね。

まとにかく・・・先頭打者だよ。清水はコントロールは悪くないけど、球威がイマイチだから際どいところを狙わざるをえない。逆に言えば、カープ打線もそれが分かってるから待つことが出来てたのかもしれんね。
しっかし・・・負け試合に7人も投入とかもうね・・・疲れるだけで何も得る物が無い。明日からの虎戦も暗いなぁ。打線はとりあえず投手次第でそこそこやれるのは分かったけど。

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この記事について

このページは、汎通が2011年4月21日 22:03に書いた記事です。

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